諸行無常

7月21日(木)


諸行無常。この世の万物は常に変化していて、ほんの少しもとどまることがないという意味だ。簡単に言えば、不変なものはないということである。『平家物語』は、「平家でないものは人でない」とまでに栄えた平家がたった数十年で滅びゆく様を描いた。勢いが盛んな者も風の前の塵と同じように結局は滅びゆく。どんなに栄えても必ず終わりが来るという無常を滅びの美学と称していた。私自身も初めて平家物語を学んだ際は、この無常感に少なからず心が動かされた記憶がある。たしかに不変なものはないのかもしれない。それでも不変であることを願う、変わって欲しくないと切望するものがある。変わらないと信じていたという方が正しいのかもしれない。変化を求めたいもの、不変を求めたいもの。世の中は酷く複雑にできているのだろう。時代の流れによって変えられてしまうものもあるだろう。そんな中でも、守りたいものを守る。そんな力が自分に欲しい。そう思うようになった。